都会と自然の融合
なんばパークスは、1998年に解体された大阪球場の跡地に、南海電鉄が「未来都市なにわ新都」というコンセプトのもと再開発した施設です。2003年10月に第1期部分が開業し、2007年4月に第2期部分が加わり、現在の形になりました。
設計と特徴
建築設計は、キャナルシティ博多や六本木ヒルズを手がけた建築家ジョン・ジャーディが担当しました。施設は、地球上の大峡谷を模した壮大な外観が特徴で、壁面には時間と地層の流れを表現しています。2014年には、アメリカCNNの「世界で最も美しい空中庭園トップ10」に選ばれました。
歴史と前史
難波御蔵:江戸時代の米蔵
1732年の享保の大飢饉の際、江戸幕府が難波村に米蔵「難波御蔵」を設置しました。この米蔵は、幕府直轄の重要な施設として、大阪の食糧事情を支える役割を果たしました。この頃には、難波入堀川が開削されるなど、周辺のインフラ整備も進められました。
大阪球場:南海ホークスの本拠地
1950年には、この場所に「大阪球場」が建設され、プロ野球「南海ホークス」の本拠地として利用されました。しかし、1998年に球場は解体され、その跡地に現在のなんばパークスが誕生しました。
なんばパークスの誕生:未来都市なにわ新都
1998年の大阪球場解体後、南海電鉄は「未来都市なにわ新都」というコンセプトのもと、跡地の再開発に着手しました。2003年10月に第1期部分が開業し、2007年4月には第2期部分が加わり、現在のなんばパークスが完成しました。
2023年7月には新たに「なんばパークス サウスグランド」がオープンし、さらなる発展が期待されています。地域密着型のイベントや、都市緑化活動を通じて、大阪市のランドマークとしての地位を確立し続けています。
施設の構成
なんばパークスは、以下の3つの主要エリアで構成されています:
- なんばパークス Shops&Diners:ショッピングと飲食店を楽しめる商業棟
- パークスタワー:オフィス棟
- なんばパークス サウス:ホテルやオフィスを含む新たなエリア
なんばパークス Shops&Diners
このエリアは地上10階、地下3階建てで、屋上部分には段丘状の庭園「パークスガーデン」が広がっています。約300種類、70,000株以上の植物が植えられており、都市の中で自然を楽しめる空間となっています。
キャニオンストリートと記念モニュメント
2階部分には旧大阪球場のホームベースとピッチャープレートが埋め込まれ、往年の名勝負を思い出させる記念プレートが設置されています。また、「キャニオンコート」では大型ビジョン「パークスビジョン」がイベントや映像を映し出します。
パークスガーデンと屋上公園
屋上庭園は、国土交通大臣賞を受賞するなど高い評価を受けています。8階には野外劇場「円形劇場」もあり、貸菜園「アーバンファーム」も併設されています。
第2期エリア
2007年に開業した第2期エリアには、シネマコンプレックス「なんばパークスシネマ」が核となり、11スクリーン・2,164席を有しています。また、高島屋との協業で専門店街「T-Terrace」が展開され、旭屋書店やトイザらスなど多彩な店舗が入居しています。
屋上庭園の拡張
第2期エリアの拡張に伴い、屋上庭園も拡大され、約30,000株の植物が追加されました。これにより、なんばパークス全体で約300種類、70,000株の植物が植えられ、都心での癒しの空間がさらに充実しました。
イベントとアート活動
なんばパークスは、音楽家の葉加瀬太郎がイメージング・プロデューサーとして関わり、施設全体でのアートや文化活動を推進しています。南海グループと高島屋による地域PRキャンペーン「Lov↑ng NAMBA」でも、葉加瀬太郎のデザインが使用されています。
アクセス情報
なんばパークスは、南海電鉄難波駅から直結しており、なんばエリアの各種交通機関と接続が良好です。地下鉄やバス路線も充実しており、観光客や地元住民にとって便利な立地となっています。
最寄り駅
- 南海電鉄 難波駅 直結
- Osaka Metro 御堂筋線・四つ橋線・千日前線 なんば駅 徒歩すぐ
- JR 難波駅 徒歩約5分
なんばパークスは、ショッピングやグルメだけでなく、自然やアートも楽しめる、大阪観光でぜひ訪れたいスポットです。都会の中心にありながら、緑豊かな空間でゆったりと過ごせるのは、なんばパークスならではの魅力と言えるでしょう。大阪を訪れた際には、ぜひ足を運んでみてください。