概要
範囲
船場の範囲は南北約2km、東西約1kmの四角形で、以下の河川や堀川に囲まれています:
- 東端 - 東横堀川(阪神高速1号環状線南行き)
- 西端 - 西横堀川(阪神高速1号環状線北行き)
- 南端 - 長堀川(長堀通)
- 北端 - 土佐堀川
この範囲内は「北船場」「南船場」としても知られており、東は上町、南は島之内、西は下船場、北は中之島と隣接しています。
地名の由来
船場という名前には諸説があります:
- 戦場と呼ばれることが多かった。
- 大坂城の馬が洗われた場所から「洗馬(せんば)」と呼ばれた。
- 砂場(さば)が「センバ」に変わった。
- 古代の船着き場として「船場」となった。
現在の町名
船場は以下の町で構成されており、北から南にかけて並びます:
- 北浜、今橋、高麗橋、伏見町、道修町、平野町、淡路町、瓦町、備後町、安土町、本町、南本町、船場中央、久太郎町、北久宝寺町、南久宝寺町、博労町、南船場
街路と街並み
船場地域の街路は通(とおり)と筋(すじ)という呼び方で区別され、碁盤目状の配置が特徴です。通は東西方向、筋は南北方向に伸び、40間四方の正方形街区を作り出しています。
町割りの基軸
船場の町割りは大坂城を中心に配置されており、通の幅は筋よりも広めに設定されました。これは、通がより重視されたためで、大商家は主に通に面していたのです。船場の東端と西端は堀川が流れ、「東横堀川」「西横堀川」として区別されます。
町割りの歴史と変遷
江戸時代には東西方向の竪町割りが基本でしたが、明治以降には南北の筋に賑わいが移行しました。平成以降も竪町割りは引き続き利用され、今でもその名残を感じさせます。
旧北船場・中船場地域
歴史的建物と施設
船場には数多くの歴史的建物が点在しています:
- 淀屋橋 - 大阪のシンボル的な橋
- 大阪取引所 - 経済の中心地
- 適塾 - 重要文化財として保存される学問所
- 大阪市立愛珠幼稚園 - 歴史ある幼稚園
- 日本生命保険本社 - 大阪を代表する企業の本社ビル
- 大阪倶楽部 - 社交場としての役割を果たす建物
旧南船場地域
主な名所
南船場には以下のような名所があり、今でも地域の特徴を色濃く残しています:
- 長堀橋跡地記念碑 - 長堀川にかかっていた橋の跡地
- 心斎橋(復元) - ショッピングの中心地
- 丼池繊維会館 - 繊維産業の発祥地
- 大阪農林会館 - 歴史的な建物として有名
旧下船場地域
名所と見どころ
下船場地域には、大同生命大阪本社ビル、錦橋、肥後橋などの歴史的な建物が残されており、古き良き大阪の面影を感じることができます。さらに、日本基督教団大阪教会なども所在し、建築や歴史好きには見逃せないエリアです。
船場の通り
各通りの特徴
船場には個性豊かな通りが多く、通りごとに異なる風景が広がります。
- 土佐堀通 - 住友ビルや三井住友銀行大阪本店ビルが所在する重要な通り
- 淀屋小路 - 淀屋の屋敷に由来し、古き良き大阪の雰囲気が漂います
- 今橋通 - 日本生命のビルがある他、大阪倶楽部も存在するエリア
- 道修町通 - 武田薬品や塩野義製薬が集積する薬品街で、毎年神農祭で賑わいます
- 平野町通 - イトーキ資料館や湯木美術館が所在し、歴史的な建築物が並ぶエリア
現在の船場地域
現代における船場の位置づけ
船場は大阪の中心業務地区としての役割を今でも担い続け、ビジネス街としての機能はもちろん、歴史的な建物や名所が集積しているため観光地としても人気があります。伝統的な建物と近代的なオフィスビルが混在し、大阪ならではの歴史と現代が共存するエリアです。
まとめ
船場は大阪の中心部に位置し、古くからの町割りと歴史ある建物、名所が多く点在する地域です。商業施設も多く、観光スポットとしても注目を集めています。江戸時代から受け継がれてきた町人文化を感じることができる船場を、訪れる際にはぜひ各所の歴史的な背景にも触れてみてください。