祭神
生根神社の主祭神は少彦名命ですが、『神名帳考証』では活津彦根命(いくつひこねのみこと)が祭神とされる説も紹介されています。少彦名命は造酒の祖神とも言われ、神功皇后がこの神社で酒を醸し、住吉三神に献じたという伝承も残っています。
歴史
詳しい創建年代は不明ながら、古来より住吉大社との関わりが深い神社として知られます。文明14年(1482年)には境内に天満宮が祀られ、この天満宮が信仰を集めたため生根神社自体も「奥の天神」と通称されるようになったとされます。
江戸時代には住吉大社の摂社として存在し、「奥天神社」と称されました。1600年から1601年にかけて、淀殿の寄進により片桐且元(かたぎりかつもと)の奉行で本殿が再建されました。
近代以降の変遷
1872年(明治5年)には住吉大社から分離し、郷社として独立しました。その後、1907年から1911年にかけて近隣の神社が合祀され、現在の境内を形成しています。
境内の特徴
本殿
本殿は桃山時代の建築様式を色濃く残し、千鳥唐破風と檜皮葺の屋根が特徴です。この本殿は1970年(昭和45年)に大阪府指定有形文化財に指定されています。
その他の建造物
拝殿は桃山時代の様式を取り入れ、1936年(昭和11年)に改修されました。境内には紅梅殿もあり、これは新羅寺の回廊を移築したものと伝えられています。
摂末社
- 天満宮(菅原神社) - 文明14年(1482年)の木造天神像が神体であり、大阪市指定有形文化財に指定されています。
- 天浄稲荷社
- 竜王社
- 塞神社 - 2殿構え。
- 種貸神社
年間行事
生根神社では、多彩な祭事が年間を通じて行われています。
- 月並祭 - 毎月9日
- 歳旦祭 - 1月1日
- 節分祭 - 2月
- 淡島祭 - 4月1日
- 七夕祭 - 7月7日
- 夏祭宵宮 - 7月18日
- 渡御式 - 7月19日
- 例祭 - 10月9日
- 神輿渡御祭 - 10月
- 子供祭 - 10月
- 七五三参り - 11月
- 大根炊き - 12月
- 除夜祭 - 12月31日
文化財
大阪府指定有形文化財
- 本殿(建造物) - 1970年(昭和45年)に指定。
大阪市指定有形文化財
- 木造天神坐像(彫刻) - 文明14年(1482年)制作。2011年(平成23年)に指定。
大阪市指定保存樹林
境内のモチノキを含む社叢全体が保存樹林に指定されています。
アクセス情報
- 南海電鉄 南海本線「住吉大社駅」より徒歩約11分
- 南海電鉄 南海本線「粉浜駅」より徒歩約9分
- 南海電鉄 高野線「住吉東駅」より徒歩約9分
- 阪堺電軌 上町線「神ノ木停留場」より徒歩約7分
- 阪堺電軌 阪堺線「東粉浜停留場」より徒歩約9分
- 阪堺電軌 上町線・阪堺線「住吉停留場」より徒歩約5分
まとめ
生根神社は、住吉区における歴史的・文化的な象徴であり、地元住民や観光客に愛される場所です。その豊かな歴史、重要な文化財、四季折々の行事が訪れる人々に多くの魅力を提供しています。アクセスも良く、大阪観光の際にはぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。