歴史
創建の由来
百済との交易が盛んだった依網吾彦の一族が、百済の聖明王から一寸八分(約5.5cm)の観音像を贈られたことが、大聖観音寺の起源とされています。欽明天皇7年(546年)、この地の人々がその像を祀る堂を建立し、のちに推古天皇14年(607年)には、聖徳太子が観音寺を創建しました。
江戸時代と大坂夏の陣
江戸時代、大聖観音寺は塔頭36院を擁する大寺院となり、最盛期を迎えました。また、大坂夏の陣(1615年)では、真田信繁の攻撃を逃れた徳川家康をかくまったという逸話も伝えられています。
近代からの再建と独立
明治時代に神仏分離令が発布されると、当寺はそれまで神宮寺として機能していた大依羅神社から分離されました。さらに、1881年(明治14年)に火災で多くの寺宝を失いましたが、1890年から再建が始まりました。
1947年(昭和22年)には、真言宗山階派から独立して観音宗を設立し、現在に至っています。
境内の見どころ
本堂
本堂は、1897年(明治30年)に再建され、現在も多くの参拝者を迎えています。
白龍池
白龍池は2018年に拡張工事が完成し、訪れる人々に安らぎを提供するスポットです。
金辰殿と護摩堂
1982年に建立された金辰殿や、1978年に建てられた護摩堂では、油之不動明王が祀られています。
西国三十三所石仏群
境内には1982年に建立された西国三十三所石仏群があり、多くの参拝者が巡礼に訪れます。
その他の施設
- 南門
- 稲荷社
- 大日堂(1984年建立)
- 西門(正門・1902年再建)
文化財
境内には大阪市指定保存樹である「観自在大楠」があり、樹齢800年を誇るクスノキが立っています。この木は大聖観音寺の象徴として、訪れる人々を見守り続けています。
年中行事と節分の風習
節分厄除大法会
毎年2月1日から7日にかけて行われる節分厄除大法会では、本尊が開帳され、厄除けや開運を祈願する参拝者で賑わいます。
護摩祈祷
1月・2月に行われる護摩祈祷では、天蓋護摩という修験道の形式が用いられます。この天蓋は、護摩炉の炎が近づいても燃えないとされ、神秘的な儀式として知られています。
節分の期間中、JR我孫子町駅とOsaka Metroあびこ駅を結ぶ道路には多くの屋台が並び、賑やかな雰囲気に包まれます。また、大阪シティバスの一部路線が運休になることもあります。
御祈祷について
本堂での御祈祷
本堂では年間を通して御祈祷が行われていますが、申し込み者が儀式に立ち会うことはできません。祈祷は後日に行われ、御札は郵送されます。
護摩堂での御祈祷
1月・2月に護摩堂で行われる祈祷では、申し込み者が儀式に立ち会うことが可能です。祈祷後、その場で御札が手渡されます。
交通アクセス
- Osaka Metro御堂筋線 あびこ駅から徒歩3分
- JR阪和線 我孫子町駅から徒歩5分
大聖観音寺は大阪市内の便利な立地にあり、多くの人々が日常的に参拝に訪れます。