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瑞光寺・雪鯨橋

(ずいこうじ せつげいきょう)

瑞光寺は、大阪市東淀川区にある臨済宗妙心寺派の仏教寺院です。山号は天然山と称され、長い歴史の中で幾度の再建を経て、現在に至っています。本堂をはじめ、寺の象徴である雪鯨橋など、独自の文化と伝統を受け継いでいます。

寺院の概要と歴史

瑞光寺の創建と再建

瑞光寺の創建は、聖徳太子によるものと伝えられています。しかし、建武年間(1334~1336年)に火災に見舞われ、一時は荒廃しました。1643年(寛永20年)、僧・天然和尚が寺を「指月寺」として復興しました。その後、1729年(享保14年)に天然和尚の後継者である北禅和尚が、寺名を瑞光寺に、山号を天然山に改めました。

1945年(昭和20年)の太平洋戦争による空襲で建物は焼失しましたが、1984年(昭和59年)に再建され、現在の姿となっています。

雪鯨橋の由来と歴史

雪鯨橋の伝説

瑞光寺境内にある雪鯨橋は、長さ約6メートル、幅約3メートルの橋で、クジラの骨で作られていることで有名です。この橋の歴史は、18世紀にさかのぼります。1754年(宝暦4年)、瑞光寺の第4代住職・潭住禅師が、和歌山県太地町を訪れた際、地元の漁師から豊漁祈願を依頼されました。

潭住禅師は「殺生は仏教の教えに反する」として一度は断ったものの、漁師たちの困窮を見かねて祈願を行いました。その結果、豊漁となり、漁師たちは感謝のしるしとして黄金30両とクジラの骨18本を瑞光寺に寄進しました。この骨を使って造られたのが、雪鯨橋の始まりです。

橋の再建と保存

雪鯨橋はその後、戦災や老朽化の影響で何度か架け直されました。1945年の空襲で焼失した後、1974年(昭和49年)、太地町の協力を得て再建されました。2006年(平成18年)には、老朽化に伴い再び架け直され、現在の姿となっています。雪鯨橋は「浪速の名橋50選」に選ばれており、国内外でも珍しいクジラの骨を使用した橋として注目されています。

瑞光寺の文化財と特徴

雪鯨橋の文化的価値

雪鯨橋は、日本国内で唯一、クジラの骨を用いて造られた橋とされ、そのユニークさから多くの観光客を惹きつけています。また、「日本百名橋」の番外にも選ばれており、その価値は高く評価されています。

関連する絵本と活動

東淀川区役所は地域の伝承を後世に伝えるため、2003年(平成15年)に絵本『瑞光寺のくじら橋』を発行しました。この絵本は、三善貞司氏の制作指導のもと、潭住禅師の豊漁祈願と雪鯨橋の物語を描いた作品で、地域教育にも活用されています。

瑞光寺の所在地とアクセス

所在地

〒533-0005 大阪府大阪市東淀川区瑞光2丁目2-2

交通アクセス

まとめ

瑞光寺は、聖徳太子の創建に始まる歴史と、クジラの骨で作られた雪鯨橋というユニークな文化財を持つ寺院です。その再建の歴史や地域との結びつきは、訪れる人々に深い感銘を与えます。大阪市東淀川区を訪れる際には、ぜひ瑞光寺と雪鯨橋の歴史と魅力を堪能してみてください。

Information

名称
瑞光寺・雪鯨橋
(ずいこうじ せつげいきょう)

梅田・新大阪

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