科学館の歴史と前身
大阪市立科学館の前身は、日本で初めての科学館であり、プラネタリウムが導入された最初の施設である大阪市立電気科学館です。1927年に開館し、多くの人々に科学の魅力を伝えてきました。また、科学館が建つ中之島4丁目は、かつて大阪大学理学部が所在し、ノーベル賞を受賞した湯川秀樹が中間子論を構想した場所でもあります。この場所は、日本で初めて天体電波観測が行われた地としても知られています。
展示内容とサイエンスショー
大阪市立科学館には常設展示として参加型の200以上のアイテムが設置されており、訪れる人々が体験を通して科学を学べるよう工夫されています。また、サイエンスショーも定期的に行われており、科学をより楽しく学ぶ機会が提供されています。
2008年には展示場がリニューアルされ、1928年に東洋最初のロボットとされた學天則(がくてんそく)の復元モデルが公開されました。科学館内には、科学の書籍やグッズを販売するショップとカフェも併設されています。
プラネタリウムの進化
大阪市立科学館のプラネタリウムは、数回のリニューアルを経て最新の設備が導入されています。2022年2月には、MediaGlobeΣ SE(コニカミノルタプラネタリウム社)と、SkyExplorer(RSACosmos社)が連動する全天周映像システムを新たに採用し、GTZ380(SONY製)プロジェクターも導入されました。これにより、より鮮明で臨場感のある映像を楽しむことができるようになっています。
貴重な収蔵資料
大阪市立科学館は、日本初のプラネタリウムであるカールツァイスII型や、大阪大学で使用されたコッククロフト・ウォルトン型加速器、日本初の化学研究所である舎蜜局に関する資料、戦前からの電気計測器や電気設備に関する資料など、貴重な収蔵資料を数多く所蔵しています。また、天文学に関連する普及書籍や雑誌のコレクションも充実しており、西日本で随一の規模を誇ります。
館内の構成
大阪市立科学館は、4階から地下1階までのフロアにわたって多様な展示が行われています。
4階:宇宙とその発見
4階には、太陽系をはじめとする宇宙に関する展示、大阪の科学史、古代から20世紀初頭までの科学の発展が紹介されています。
3階:身近に化学
鉱物、宝石、結晶、プラスチック、繊維、生薬と合成薬、匂いに関する化学的な展示が行われています。この階には図書コーナーがあり、サイエンスショーも行われます。
2階:おやこで科学
親子で科学を楽しめるフロアで、ボールの運動、風、鏡、音を体験的に学べる展示が揃っています。
1階:電気とエネルギー
この階は入り口に位置し、東洋初のロボット「學天則」が設置されています。電気やエネルギーに関する展示が充実しており、来館者は様々なエネルギーの仕組みを学ぶことができます。
地下1階:展示物とプラネタリウム
実物資料や模型が展示されているほか、プラネタリウムもこのフロアに設置されており、臨場感ある宇宙の旅が楽しめます。
大阪市立科学館の沿革
大阪市立科学館は、大阪市の市制100周年記念事業の一環として1983年に基本構想が策定され、1989年に開館しました。以下は主要な沿革です。
1986年
関西電力が科学技術館の寄贈を申し出る。
1989年
正式名称を「大阪市立科学館」と決定し、10月7日に開館。
2004年
プラネタリウム機器をリニューアルし、コニカミノルタプラネタリウムの「インフィニウムL-OSAKA」を導入。
2019年
第3次改装オープンし、3代目プラネタリウム「インフィニウムΣ-OSAKA」を導入。
2022年
全天周映像システムや最新のデジタル設備を備えたプラネタリウムがリニューアル。
交通アクセス
大阪市立科学館は以下の交通手段でアクセスできます。
- 渡辺橋駅から西へ約350m、中之島駅から東へ約450m
- 肥後橋駅から西へ約500m、福島駅から南へ約800m
- 大阪シティバス53号系統・75号系統で「田蓑橋停留所」下車、南へ150m
- 北港観光バス(中之島ループバス)の「市立科学館・国立国際美術館前停留所」で下車すぐ
大阪市立科学館の魅力
大阪市立科学館は、科学の発展や技術革新に触れ、子どもから大人までが楽しめるスポットです。ぜひ大阪を訪れた際には、未来の科学を学ぶための訪問先としてご検討ください。