歴史
創建と由来
野江水神社は、天文2年(1533年)に細川晴元の家臣である三好政長が榎並城を築城した際に創建されました。当時、この地域は頻繁に水害に見舞われていたため、城の守護として水神である水波女大神(みずはのめのおおかみ)を祀り、社を建立したのが始まりです。
豊臣秀吉の修築
天正11年(1583年)、大坂城を築いた羽柴秀吉(豊臣秀吉)は、水火除難の守護神として野江水神社を崇敬し、社殿を修築しました。この修築によって、神社は地域の信仰の中心となり、多くの人々から篤く信仰されるようになりました。
洪水と神社の守護
元禄16年(1703年)の洪水や享和2年(1802年)の大洪水においても、神社は不思議にも被害を免れ、その神徳の高さが広く知られるようになります。しかし、明治18年(1885年)の淀川洪水ではついに本殿が倒壊し、1888年(明治21年)に再建されました。
近代以降の歴史
1922年(大正11年)には幣殿が増築され、社殿がさらに整備されました。1945年(昭和20年)の大阪大空襲では、幸運にも野江地域は被害を免れ、現在までその姿を残しています。
祭神
主祭神として水波女大神が祀られています。この神は水の神として、古くから地域住民の生活を支え、特に水害除けの神として信仰されています。
境内施設
本殿
1888年(明治21年)に再建された本殿は、地域の人々の手によって大切に守られてきました。
幣殿
1922年(大正11年)に増築された幣殿は、神事を厳かに行うための重要な施設です。
拝殿
本殿と同じく1888年に再建された拝殿は、参拝者が祈りを捧げる場所となっています。
野江稲荷神社
境内には、稲荷神を祀る「野江稲荷神社」もあり、五穀豊穣や商売繁盛を願う人々が多く訪れます。
その他の施設
- 社務所
- 御神水:参拝者に授与される清めの水
- 水流地蔵尊・白杉大明神:明治十八年の洪水の際に漂着したもの
祭事と年中行事
夏祭
地域の人々が集まり、賑やかな雰囲気の中で神楽や出店が楽しめる夏祭りが行われます。
秋祭
五穀豊穣を願う秋祭りも重要な行事の一つです。伝統的な神事が執り行われます。
年中行事
- 正月:新年を祝うため、多くの参拝者が訪れます。
- 節分:厄除けの祈祷が行われます。
- 七五三:子どもの成長を祝う行事として、多くの家族が参拝します。
交通アクセス
野江水神社へのアクセスは便利です。
- Osaka Metro谷町線「野江内代駅」から徒歩2分
- おおさか東線(JR西日本)「JR野江駅」から徒歩6分
まとめ
野江水神社は、その長い歴史と水神信仰に支えられ、地域の人々から深く信仰されています。大阪の「水の都」というイメージにふさわしく、水波女大神を祀るこの神社は、洪水や水害に対する守護の象徴です。また、羽柴秀吉をはじめとする歴史的な人物にも敬愛されてきた由緒正しい神社です。訪れる人々は、神社の静かな境内で心を清め、祈りを捧げることができます。