歴史
都島神社は、淀川の支流である大川の左岸に位置し、かつては洪水の被害をたびたび受けていました。平安時代後期、後白河法皇がこの地を訪れ、その状況を憂いて、地域の守護のため神社を建立するよう命じました。
十五社神社の創建
この命を受けて、東成郡毛馬村や澤上江村、友渕村など周辺の8つの村が協力し、永暦元年(1160年)に十五社神社を建立しました。その後、法皇は仁安3年(1168年)に、当社の北側に母である待賢門院の菩提を弔うため、尼寺である母恩寺を建立しました。
都島神社への改称
当初の社名は天照大神を含む15の神々を祀ることに由来していましたが、1943年(昭和18年)に現在の都島神社へと改称されました。
戦災と再建
第2次世界大戦中の1945年(昭和20年)6月7日、第3回大阪大空襲で社殿や境内の多くが焼失しましたが、戦後の1949年(昭和24年)に再建され、再び地域の信仰の中心となりました。
文化財
石造三重宝篋印塔
境内には嘉元2年(1304年)に造られた石造の三重宝篋印塔があり、大阪市内最古の石造遺物として大阪府指定の有形文化財に指定されています。この塔は、当時の高度な石造技術を伝える貴重な遺産です。
祭神
都島神社では以下の神々が祀られています:
- 天照大神
- 廣田大神(六甲山大権現)
- 住吉大神(住吉大明神)
- 熊野大神(熊野権現)
- 三十川大神
- 白山大神(白山権現)
- 生野大神
- 小守大神
- 石上大神(岩上大明神、布留大明神)
- 春日大神(春日権現、春日大明神)
- 加茂大神
- 大原野大神
- 松尾大神(松尾大明神)
- 石清水八幡大神(八幡大菩薩)
- 稻荷大神(稲荷大明神)
境内施設
- 本殿
- 拝殿
- 遙拝所
- 手水舎
- 社務所
- 祭器庫
- 石造三重宝篋印塔(大阪府指定有形文化財)
祭礼
夏季大祭
毎年7月22日・23日に開催され、地域のだんじりや獅子舞、子ども太鼓などが登場し、賑やかな祭りとなります。
秋季大祭
10月19日・20日に行われる秋季大祭では、境内に模擬店が並び、地元住民や観光客で賑わいます。
交通アクセス
- 地下鉄谷町線 都島駅下車、北西へ徒歩100m
- 大阪市道大阪環状線(都島通) 都島本通交差点から西へ200m
都島神社は、長い歴史と地域との深いつながりを持つ神社であり、その祭礼は地元の人々にとって重要なイベントとなっています。歴史的遺産である三重宝篋印塔も見どころの一つであり、訪れる価値のある観光地です。