祭神
野里住吉神社では、以下の神々が祭神として祀られています。
- 底筒男命(そこつつのおのみこと)
- 中筒男命(なかつつのおのみこと)
- 表筒男命(うわつつのおのみこと)
- 息長帯比売命(おきながたらしひめのみこと)
歴史
創建と発展の経緯
野里住吉神社の起源は、1382年(永徳2年)の「野里川の合戦」の際にまで遡ります。この戦いにおいて、足利義満が戦勝祈願のために住吉大神宮を勧請したと伝えられています。明治時代になると、神社の名称が「住吉神社」に改められ、地域の人々に親しまれるようになりました。
明治時代以降の発展
- 1872年(明治5年): 村社に列せられる。
- 1909年(明治42年): 神饌幣帛料供進社に指定。
- 1965年(昭和40年): 社殿が改築される。この時、5~6世紀の出土品が発見され、古くから神祠があったことが推測されています。
境内と社殿
境内の主な神社と社殿
野里住吉神社の境内には、さまざまな摂社や末社が点在しています。
- 淀川戎神社: 事代主命、大國主命を祀る。
- 五座相殿社: 草祖神、菅原道真、春日大神、八幡大神、八百万大神を祀る。
- 事平神社: 事平大神を祀る。
- 月頼大明神
- 勝雄木稲荷神社
- 源次郎稲荷
その他の見どころ
- 遙拝所: 遠くの神社や聖地に向かって参拝できる場所。
- 乙女塚:「瀧の池」の跡地に設置されている由緒ある塚。
文化財と伝統行事
「野里の一夜官女」について
「野里の一夜官女」は、昭和47年(1972年)に大阪府指定民俗文化財に指定された伝統行事です。この行事は江戸時代、元禄以前から続くもので、風水害や疫病に悩まされていた野里村が毎年1月20日に子女を唐櫃に入れて「人身御供」として捧げたという伝説に基づいています。
この風習は、岩見重太郎という人物が「猅々(はいはい)」という大蛇を退治して村を救ったと伝えられています。その後、村の災厄除けの祭りとして続けられ、明治40年(1907年)からは毎年2月20日に開催されています。この伝統行事で使用される桶は、元禄15年(1702年)に作成された貴重なものです。
三善貞司によると、明治44年(1911年)刊の加藤玉秀『石見重太郎』で「大蛇退治」の物語が「猅々」に置き換えられたことが指摘されています。このように、野里の一夜官女は単なる伝説にとどまらず、地域の歴史や信仰の一部として受け継がれています。
交通アクセス
野里住吉神社へのアクセスは非常に便利です。最寄り駅から徒歩圏内にあり、公共交通機関を利用して気軽に訪れることができます。
- 最寄り駅: JR西日本・塚本駅(東海道本線)
- アクセス: 塚本駅から西へ徒歩10分
周辺の観光情報
野里住吉神社の近くには、以下のような観光名所もあります。
- 香具波志神社: 由緒ある神社として有名。
- 神津神社: 歴史的な背景を持つ神社。
- 大和田住吉神社: 住吉神社系列の一つとして知られる神社。
まとめ
野里住吉神社は、地域の歴史と伝統を象徴する神社であり、古くからの信仰と文化を今に伝えています。足利義満による創建から現代に至るまで、多くの人々に愛され続けています。また、文化財「野里の一夜官女」や境内の摂社・末社も見どころであり、訪れる価値のある場所です。塚本駅から徒歩10分というアクセスの良さも魅力の一つです。歴史に触れ、地域の信仰や伝統文化を体感できる野里住吉神社を、ぜひ一度訪れてみてください。