沿革
大阪府立中之島図書館は、1904年に住友家により建築・寄贈され、「大阪図書館」として開館しました。設計は野口孫市と日高胖が担当し、同年2月25日に開館式が挙行されました。その後、1906年に「大阪府立図書館」と改称され、大阪府で唯一の府立図書館として長らく機能してきました。
1950年には、大原社会問題研究所からの蔵書寄贈を契機に天王寺分館が設置され、蔵書の管理や収集が行われました。また、1974年には「大阪府立中之島図書館」に名称を変更し、この年に建物が国の重要文化財に指定されています。
大阪府立中央図書館の開館
1996年に東大阪市に大阪府立中央図書館が開館した際、中之島図書館の一般蔵書の大部分が中央図書館に移管されました。特許資料や科学技術関連の資料については、閉館した夕陽丘図書館の建物を活用して新設された大阪府立特許情報センターに移されています。
ビジネス支援サービスの開始
2004年より、中之島図書館ではビジネス支援サービスを開始しました。ビジネスマンに役立つ情報を提供するこのサービスは、利用者に非常に好評です。また、別館では関西大学の法科大学院サテライト教室や、大阪府立大学の看護学研究科・リハビリテーション学研究科が社会人向けに講座を開講しています。
建築と重要文化財指定
大阪府立中之島図書館の建物はネオ・ルネサンス様式であり、1904年に竣工しました。その後、1922年には左右の棟が増築され、さらに幾度かの改築を経て今日に至っています。この歴史的な建物は大阪大空襲の際も被害を免れ、1974年に国の重要文化財として指定されました。
開館日時とアクセス
中之島図書館の開館日時は以下の通りです。
- 平日:午前9時から午後8時
- 土曜:午前9時から午後5時
- ※デジタル情報室やマイクロフィルムなどの利用申込みは閉館30分前まで
休館日は、日曜、祝日・振替休日、年末年始のほか、館内の整理のため年に数回の臨時休館があります。
交通アクセス
中之島図書館は大阪市役所と大阪市中央公会堂に隣接しており、公共交通機関を利用すると便利です。
- 京阪中之島線「なにわ橋駅」より徒歩数分
- 京阪本線・Osaka Metro御堂筋線「淀屋橋駅」からも徒歩圏内
図書館の改修と活用
2012年、大阪府と大阪市の府市統合本部の会合で中之島図書館を廃止する案が検討されましたが、その後の大阪府教育委員会の意向により存続が決定されました。2014年までに耐震補強および外壁のリニューアル工事が行われ、2015年4月から再開館しました。
新たな活用と施設充実
2015年には指定管理者制度が導入され、管理運営に株式会社アスウェルが選定されました。館内には雑貨や文具を取り扱うショップが設置され、またデンマークの郷土料理「スモーブロー」を提供する「スモーブロー キッチン ナカノシマ」カフェも併設されています。このカフェはスモーブローを専門とする西日本初の店舗として、多くの来館者から親しまれています。
まとめ
大阪府立中之島図書館は、地域社会にとって重要な文化的拠点として多くの人々に利用されています。歴史的な建物と充実した蔵書に加え、ビジネスマン支援や新たなショップやカフェの導入など、さまざまな形で利用者ニーズに応えています。大阪の文化と知識を深める場として、今後もさらに発展していくことが期待されています。