大阪府 » 大阪市 » 梅田・新大阪

香具波志神社

(かぐはし じんじゃ)

香具波志神社は、大阪市淀川区加島にある由緒ある神社です。「加島神社」「加島大明神」とも称されてきた神社で、稲荷神をはじめとする複数の神々を祀っています。旧社格は村社で、地域の歴史と文化に深く根付いています。地元の住民だけでなく、歴史ファンや観光客からも親しまれているスポットで、祭礼や地域の行事が盛大に行われる場所となっています。

祀られている神々

香具波志神社には、以下の神々が祀られています。

歴史

香具波志神社の由来は、孝徳天皇がこの地に行幸した際、「香ぐはし」と詠まれたことに因むと言われています。「加島神社旧記」によれば、天徳3年(959年)に倉稲魂神・保食神を祀ったことが記録されています。また、『摂津志』にも「稲荷神祠二座、一座在加島村」との記載があり、長い歴史を持つ神社です。

鎌倉・室町時代の記録

この神社にはかつて連歌殿があり、弘長年間には北条時頼が連歌田を寄進したとされています。『太平記』には、正平6年(1351年)に楠木正成の三男・正儀が加島明神の森で祈願したという逸話が残されています。

江口の戦いと三好長慶

天文18年(1549年)の江口の戦いでは、三好長慶が戦勝祈願として神社に大鳥居を寄進しました。その後、神社の名称は「賀具波志大社」から「稲荷神社」に改められましたが、明治維新後に再び現在の「香具波志神社」に戻されています。

近代から現在まで

万治元年(1658年)には火災に遭いましたが、文久2年(1862年)に社殿が再建されました。明治5年(1872年)には村社に列し、その後の明治42年(1909年)には近隣の三津屋の三社八幡神社や住吉神社、天神社を合祀しました。昭和34年(1959年)には鎮座千年祭が行われ、多くの参拝者が集まりました。

境内の見どころ

上田秋成寓居跡碑と墓

香具波志神社の境内には、江戸時代後期の読本作者である上田秋成の寓居跡碑と墓があります。上田秋成は1774年(安永2年)から4年間、この地に居住していたとされ、彼の墓は1811年(文化8年)に建てられました。上田秋成の文学的な功績を偲び、多くの人々が訪れます。

現地情報

所在地:大阪府大阪市淀川区加島4丁目4-20

交通アクセス

周辺の見どころ

香具波志神社の近くには、富光寺という寺院があります。こちらも歴史のある場所で、神社と合わせて訪れることで、より深い歴史探訪が楽しめます。

まとめ

香具波志神社は、その長い歴史と地域の文化的な背景から、多くの参拝者に愛されています。祭神への信仰や、上田秋成にまつわる文学的な魅力もあり、歴史好きの観光客にとって見逃せない場所です。大阪市内でアクセスも良いため、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。

Information

名称
香具波志神社
(かぐはし じんじゃ)

梅田・新大阪

大阪府