櫻宮(桜宮)は、大阪市都島区中野町に位置する由緒ある神社です。旧社格は郷社で、登記上の宗教法人名は「桜宮」と新字体が使用されています。地域住民からは「桜宮神社(さくらのみや じんじゃ)」として親しまれ、都島区の「桜宮」という地名もこの神社に由来しています。
櫻宮の創建時期は、兵火や洪水の影響で神宝の記録が失われており、正確な時期は不明です。しかし、もともとは東生郡(現在の東成郡)野田村の「小橋」櫻の馬場にある「宮田」に氏神として奉斎されたのが始まりと伝えられています。
慶長18年(1613年)に一度再建されましたが、元和6年(1620年)の大和川の洪水で社殿が流出。その社殿は現在の中野町に漂着し、そこに祀られることとなりました。その後もたびたび洪水の被害を受け、寛文6年(1666年)と延宝2年(1674年)にも水害に見舞われましたが、大坂城代の許可を得て現在の地に戻されました。
明治時代に入ると、1872年(明治5年)に郷社に列し、1906年(明治39年)には神饌幣帛料供進社に指定されました。その後、1907年(明治40年)には以下の神社を合祀し、より一層地域の守り神としての役割を担いました。
1945年(昭和20年)6月7日、大阪大空襲で本殿をはじめとする社殿や浪速七不思議の一つ「廻り回廊」も全焼してしまいました。しかし、戦後に社殿が復興され、再び地域の信仰の拠点となりました。
櫻宮では以下の神々をお祀りしています。
櫻宮の境内には以下の施設があります。
櫻宮には以下の境外社もあります。
かつて境内には「駒つなぎの樟」と呼ばれる樹齢900年の巨大なクスノキがありました。この木は大阪府の天然記念物第1号に指定されていましたが、戦時中の空襲によって枯れてしまいました。
櫻宮には、大阪府指定の有形文化財があります。
櫻宮は、交通の便が非常に良い場所に位置しています。
櫻宮の周辺には、以下の観光スポットがあります。
櫻宮は、長い歴史と豊かな文化を持つ神社として、地域の人々に愛され続けてきました。幾度も洪水や空襲といった困難を乗り越え、今もなおその存在を保ち続けています。大阪を訪れる際には、ぜひこの歴史深い神社を訪れ、静かな時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。