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大阪 中之島美術館

(おおさか なかのしま びじゅつかん)

大阪中之島美術館は、大阪市北区中之島四丁目に位置し、19世紀後半から21世紀の現代にかけての近代美術・現代美術の作品を収集・保管・展示する美術館です。多彩なコレクションを通じ、国内外の美術の歴史と魅力を伝える重要な文化拠点となっています。

コレクションと活動

大阪中之島美術館のコレクションは、大阪市が形成してきた近代美術・現代美術の作品群に基づいています。古代美術や東洋美術を展示する大阪市立美術館とは異なり、19世紀以降の作品に焦点を当てており、佐伯祐三やエコール・ド・パリに関わる作家の作品、また大阪ゆかりの美術作品を中心に収集されています。以下のような作品群が収蔵されています。

近代美術作品

佐伯祐三を中心とした近代美術の作品やエコール・ド・パリの作家の作品、大阪と関わりのある近代美術の作品が多く含まれています。また、日本画家の北野恒富や島成園、写真家の安井仲治、現代美術家の吉原治良、さらに具体美術協会の作家の作品も展示されています。

代表的な作品

大阪中之島美術館は、アメデオ・モディリアーニやコンスタンティン・ブランクーシ、ゲルハルト・リヒターといった著名な美術家の作品を収蔵し、近代・現代美術を代表する作品群を紹介しています。また、アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレックやアルフォンス・ミュシャのポスターコレクションも含まれ、多様な美術作品を鑑賞することができます。

インダストリアルデザイン・アーカイブズ研究プロジェクト

美術館のデザイン関連の活動として、「インダストリアルデザイン・アーカイブズ研究プロジェクト」(IDAP)が推進されています。このプロジェクトでは、家電や住宅建材などの工業デザイン製品の情報を集積し、歴史的資料として保存しています。IDAPは産学官連携の取り組みで、過去のデザインに関する「記録」や「記憶」を蓄積するほか、ウェブを通じた発信やシンポジウムの開催を行っています。

沿革

1983年、コレクターである山本發次郎氏の遺族が、彼が収集した佐伯祐三の作品やインドネシアの更紗などのコレクションを大阪市に寄贈しました。この寄贈がきっかけとなり、1988年には大阪市制100周年を記念して大阪市立近代美術館建設計画が発表され、1989年には作品購入資金として毎年30億円の積立が開始されました。

美術館建設のために大阪市は阪大医学部跡地を160億円で購入し、当初は延床面積24,000平方メートルの近代美術館建設計画を策定しましたが、蔵屋敷跡の発掘や財政難により計画は一時中断となりました。その後、展示室が仮設置されたものの、2011年には大阪市長の意向で計画が白紙撤回されるなど、建設の見通しは不安定な状況が続きました。

その後、2013年に再度中之島に美術館を建設することが決まり、2017年には建築設計案として遠藤克彦建築研究所の案が採用されました。2018年には正式な名称が「大阪中之島美術館」と決まり、2022年2月2日に開館しました。

建築とデザイン

大阪中之島美術館の建物は、大阪市と遠藤克彦建築研究所が協力して設計し、地上5階建ての鉄骨構造を持つ近代的なデザインが特徴です。1階および2階は都市に開かれた空間として設計され、訪れる人々に親しみやすい施設となっています。建築面積は6,680.56平方メートル、延床面積は20,012.43平方メートルに及び、現代建築の技術と美術の融合が見られます。

アクセス

大阪中之島美術館は大阪市の中心地に位置しており、アクセスが非常に便利です。最寄りの駅から徒歩で数分の距離にあり、公共交通機関を利用して気軽に訪れることができます。周囲にはカフェやショップも充実しているため、訪れる人々はアート鑑賞と共にリラックスした時間を過ごすことができます。

展示内容と特別展

常設展示では、日本国内外の近代・現代美術の重要な作品が紹介され、訪れるたびに新しい発見があります。また、特別展では国内外の美術館やコレクションと連携し、多彩なテーマの展示が行われます。これにより、大阪中之島美術館はアートの普及と教育に貢献し、幅広い観客層に対応しています。

大阪中之島美術館は、日本の文化を支える存在としての役割を果たし、美術ファンや地元の人々から高い支持を受けています。歴史的背景と未来への展望を併せ持つこの美術館は、芸術の発展と大阪の文化振興に重要な貢献をしています。

Information

名称
大阪 中之島美術館
(おおさか なかのしま びじゅつかん)

梅田・新大阪

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