再開発の経緯と施設概要
プロジェクトの背景
大阪市は、弁天町駅(JR大阪環状線・Osaka Metro中央線)の西側に広がる3ヘクタールの市有地を再開発するプロジェクトを進めました。これにより、「大阪リゾートシティ」を意味するORCという名称で複合商業施設が誕生しました。
当初の計画と課題
1993年2月に竣工したこの施設は、オフィス、ホテル、プールなどを擁する多機能型のビルでした。しかし、バブル経済崩壊の影響で計画通りの収益を上げられず、600億円を超える債務が発生しました。この問題を巡り、銀行と大阪市の間で裁判が行われ、2013年に大阪市に637億円の支払いが命じられる判決が下されました。
施設の売却と新たなスタート
フォートレス・インベストメント・グループによる取得
2015年、大阪市は施設の売却を実施し、フォートレス・インベストメント・グループが運用する「Ganges特定目的会社」が落札しました。その後、2018年3月27日に施設名を「大阪ベイタワー」に変更し、新しいスタートを切りました。
資産取得と運営の変遷
その後、2023年から2024年にかけて、丸紅系のユナイテッド・アーバン投資法人が建物の区分所有権を取得し、さらにフォートレス系のインヴィンシブル投資法人もホテル部分を買収しました。
主要な施設と見どころ
アートホテル大阪ベイタワー
2018年に「ホテル大阪ベイタワー」を引き継ぎ、アートホテル大阪ベイタワーが開業しました。これは関西地区最大級のフルサービス型ホテルで、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンのアソシエイトホテルとしても運営されています。ホテルは388室から464室に増設され、家族向けの部屋も新設されました。
空庭温泉 OSAKA BAY TOWER
2019年に開業した空庭温泉は、安土桃山時代の町並みを再現した屋内温泉テーマパークです。地下1000メートルから汲み上げた天然温泉を使った露天風呂や岩盤浴、日本庭園など、多彩な施設が揃っています。
各施設の特徴と利便性
ビル内の施設
- 1番街・メインタワー: 地上51階、地下3階。アートホテルやオフィスが入居。
- 2番街東館・ベイタワーイースト: 地上9階、地下3階。医療施設やスポーツジムが入る。
- 2番街西館・ベイタワーウエスト: 地上7階、地下3階。ラジオ大阪の本社やオークホールがある。
- 3番街・ベイタワーノース: 地上5階、地下2階。空庭温泉や商業施設が揃う。
- 4番街・プリオタワー: 地上50階、地下2階。高層マンションとオフィスから成る。
交通アクセス
大阪ベイタワーは、弁天町駅(JR大阪環状線・Osaka Metro中央線)に直結しており、駅からのアクセスが非常に便利です。
過去の施設と歴史
ホテル大阪ベイタワーの変遷
かつての「ホテル大阪ベイタワー」は、三井アーバンホテルとしてスタートし、運営の変遷を経て「アートホテル大阪ベイタワー」として再オープンしました。
インドアプールの変遷
西日本最大級のインドアプールを擁していたレジャー施設は、「弁天町パラディッソ POOLS」として人気を博していましたが、最終的に2017年に営業を終了し、後に「空庭温泉」に生まれ変わりました。
温泉とリラクゼーションの魅力
空庭温泉の温浴体験
地下1000メートルからくみ上げた天然温泉は、神経痛や筋肉痛、疲労回復などに効果が期待できるとされています。多彩な風呂とリラクゼーションスペースが、訪れる人々に癒しを提供しています。
貸切露天風呂と特別室
完全個室の貸切露天風呂も用意されており、4〜6名向けの特別室やテントサウナ付きの個室など、さまざまなニーズに応えています。
まとめ
大阪ベイタワーは、その複合的な施設と豊富なアクティビティにより、ビジネスから観光まで幅広いニーズに応える魅力的なスポットです。弁天町駅に直結した利便性の高さも、大きな魅力のひとつです。観光や温泉、ショッピングを楽しむ方々にとって、訪れる価値のある場所となっています。