歴史を物語る赤レンガの建造物
築港赤レンガ倉庫は、1923年(大正12年)10月に住友倉庫によって建設されました。大阪港の第1号岸壁に沿って建設されたこの倉庫は、2つの棟から成り立っています。
倉庫の構造
- 旧200倉庫:2階建て、高さ13m、延床面積4,500平方メートル。
- 旧300倉庫:1階建て(当初は2階建て)、高さ13m、延床面積2,800平方メートル。
設計を手掛けたのは、住友財閥の建築家・日高胖です。建物の間には貨物線である「大阪臨港線」が敷設され、荷物の搬出入はこの鉄道を通じて行われました。
築港赤レンガ倉庫の歴史
築港赤レンガ倉庫の建設は、大阪港の第1次築港事業の一環として行われました。大阪市は1897年(明治30年)から築港事業を進めていましたが、財政難や不況により進捗が遅れていました。しかし、第一次世界大戦後の貨物需要の増加により、港の整備が急がれることになり、住友財閥が護岸整備を引き受けました。
倉庫の保存と再活用
1999年(平成11年)に倉庫としての役割を終えた築港赤レンガ倉庫は、管理が住友倉庫から大阪市に移管されました。その後、耐震性の問題から解体も検討されましたが、保存と活用の道が模索され、最終的にはジーライオングループによって再活用されることとなりました。
ジーライオンミュージアムとしての活用
2015年(平成27年)から、ジーライオングループはこの倉庫を「ジーライオンミュージアム」として運営しています。このミュージアムでは、クラシックカーの動態保存が行われ、多くの愛好家に親しまれています。
キャンドルナイトイベント
築港赤レンガ倉庫の脇にある「築港赤レンガ広場」では、2008年(平成20年)より毎年6月の夏至の時期に「築光キャンドルナイト」が開催されています。無数のキャンドルが灯され、幻想的な雰囲気に包まれた広場は、訪れる人々を魅了しています。
周辺の観光施設
築港赤レンガ倉庫の周辺には、魅力的な観光施設が数多くあります。
- 海岸通ギャラリー・CASO:現代美術ギャラリー。
- 港住吉神社:地域の神社。
- 天保山:日本一低い山として知られています。
- 海遊館:世界最大級の水族館。
- 天保山大観覧車:夜景が美しい大観覧車。
- 大阪文化館・天保山:さまざまな展示会が行われる文化施設。
- 天保山マーケットプレース:お土産やグルメが楽しめる商業施設。
- なにわ食いしんぼ横丁:大阪の名物料理を堪能できる場所。
- ホテルシーガルてんぽーざん大阪:宿泊施設。
- マーメイド広場:イベントが行われる広場。
アクセス
築港赤レンガ倉庫へのアクセスも便利です。
- 鉄道:大阪港駅(中央線)から徒歩10分、4番出口より南へ約500m。
まとめ
築港赤レンガ倉庫は、その歴史的な価値だけでなく、現代的な活用を通じて多くの人々に愛されています。周辺には観光施設も多く、訪れるたびに新しい発見があるでしょう。大阪を訪れる際には、ぜひこの歴史ある倉庫を訪れてみてはいかがでしょうか。